『0(ZERO)SYSTEM』

132/132
前へ
/132ページ
次へ
 こんな時に、B君の思想が分かった。B君は、全てを消すための死であるのだ。子供の遊び続きのような死は、全て無に繋がっている。子供が親を殺すのは、過去との決別であり、親が子供を死に追い詰めるのは、未来の喪失であった。  痛みを無くす事ができるB君だからこそ、到達した死のシステムであった。 「全てをゼロにしてゆくシステム。ZERO―SYSTEMと名付けるよ、B君」  これで、弥勒は全員揃った。 「慶松、この部屋は見られているから、寝室に移動しようか」   どの部屋でも同じかもしれないが、B君はこの家を見張っている。それは、時折乱れる電波で分かる。 「ま、ベッドで話は聞きますか……」  寝室に移動すると、俺は、B君について説明してしまった。 『0(ZERO)SYSTEM 了』  
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加