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俺は、柴田を睨んでみる。浅見は、顔は可愛いのかもしれないが、自己中心過ぎる。浅見は、仕事を完璧にすれば、人間関係など無視という態度であった。
「可愛いのと、一緒に仕事したいは別物だよね」
俺は、浅見と一緒に仕事をしたくない。浅見は、仕事は完璧であるが、熱意も誠意もない。
「……氷花に言われると、微妙だね」
どういう意味であろうか。
今回の企画書は、川越にも唸られてしまった。
「これ、センサーなんだけど、これだけで位置を把握できる」
通信などはできないが、人工衛星を利用し位置の特定ができた。ペットなどで使用するために開発されたが、周期的に電源を必要とするため。埋め込みには向かない。ペットの首輪に埋め込んでも、電気となるとやや不安があった。
そこで、ショッピングセンターのカートに使用し、指定の区域を出ると警報が鳴ると設計してみた。勝手にカートを持ち帰る人がいる、郊外のショッピングセンター向けの商品であった。でも、需要は少ない。
そこで、遊園地などで、使い捨てでの使用を考えてみた。簡易的機能に絞り込み、電池の充電を必要としない、使い捨てにしてみる。
「燃えるゴミで捨てられる。かなり機能を絞ったので、安い。これを、カードにして首から下げると、居場所が分かる。寿命は、封を切ってから三日ほど」
子供に掛けておけば、迷子にならないですむ。変に契約などはなく、カードが入っている袋のコードを読み込むと、居場所を知らせるアプリが動く。
旅行などでも、役に立つかもしれない。
「……一課で売れるかな」
そこが問題でもあって、これは、やはりシステム部門に持ってゆく方がいいのかもしれない。
「だよな。これは、電気部品であっても、機械への組み込みではないしね」
しかし、これは使い道によっては、行動のプライバシーがなくなる。浮気しているのかと疑ったら、これを使用すると安価で追跡できてしまう。他にも、ストーカー行為にも使用されそうであった。
「危険な商品の気がしてきた」
「……勝手に付けられたら、かなり嫌だね」
そこで、これは他の営業に任せる事にした。法律問題に詳しい者がいいだろう。
俺は、今回は、他にも商品を持ってきていた。家に防犯カメラが多くあるが、どうにも位置が固定されていて気にいらない。そこで、見回り君という、周期ルートを回る、リモコンで操作できる防犯カメラを作ってみた。
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