334人が本棚に入れています
本棚に追加
/193ページ
「お買い物頼み忘れたものがあって、でも電話しても千紘もお兄さんも出ないから、私も買いものに行こうと……え?」
男三人の視線に、梨那さんは戸惑った。
「ああ、ごめん、この脳筋馬鹿の所為で気付かなかった」
千紘が言う。
「誰が脳筋馬鹿だ。つか、え? 女の子? 一緒に住んでる? え? 先輩、バイ?」
佐々木が言う。
「まあ、俺はどっちで気にしませんが」
「俺はバイじゃないし、この子は千紘の彼女だ」
俺は頭を抱えて言った、なんか訳が判らない状況になってきた。
「女いんのに、先輩を独占すんじゃねえ!」
「関係ねえだろ! どっちも好きなんだよ!」
「俺は先輩一筋、やった、俺の勝ち!」
「あーもう、うるさい! 恥ずかしいからとりあえず家、入るぞ!」
「この脳筋馬鹿を家に入れるな!」
「うーん、そうなんだけど、この騒ぎは恥ずかし……」
「あ、私は買い物行ってきます」
「あ、うん、いってらっしゃい、今日はそのまま帰ってもいいよ」
「いえーい、先輩んちー!」
「俺の家でもあるからな!」
「ノープロブレムー、ご招待感謝します」
「来んな!」
「千紘、もういいから……」
「よくねえ!」
結局喧嘩は止まらない。
なんだかなあ……千紘の気持ちが確かめられて嬉しいのもあって、つい微笑んでしまう、それを見た千紘にまた怒鳴られ……。
最初のコメントを投稿しよう!