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「これは何でもないのっ……」
「こんなになってて、何でもないってことがあるか!」
変に隠そうとするから
余計に
「見せて」
「あっ……!」
九条さんは僕が手を引っ込めてしまわぬうちに
しっかりと両腕を掴んだ。
それがまた咄嗟の事だったから
「痛っ――」
僕は傷だらけの身体を庇って
思わず声を上げてしまう。
「え……?」
自分がひどく乱暴したかのように
九条さんは慌てて僕から手を放すけれど――。
「和樹……身体を見せてごらん」
思い直して
青ざめる僕に向き直った。
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