episode220 調教の痕

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「何でもない。何でもないの……」 まさか、こんなに早く――。 メインディッシュも運ばれてこないうちに こんな話になるなんて。 「いやっ……何なさるの……こんなとこで!」 僕が戸惑っている間にも 九条さんは強引に僕を立ちあがらせて 背中からシャツを捲ていった。 そして 「何なの……これは……」 もちろんこの惨状に唖然としたわけだ。 「これは……」 皮肉にも僕らは ちょうど隠しカメラに収まる形で立ち尽くし 九条さんさは無言のまま繊細なその指で辿った。 僕の背中に這う 無数の赤い鞭の痕。 両手首にそのまま残った 生々しい拘束の痕――。
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