episode220 調教の痕

14/30
前へ
/30ページ
次へ
「こんなことって……」 九条さんは言い淀む。 と同時 「あ……」 悪いタイミングで入ってきたウエイターを振り返り 「すまないが……しばらく外していてくれ」 どうにか平然を保とうと 感情を殺した声を振り絞った。 「スープの方は……」 しかし可れなウエイターは 熱いスープを提供しに来たばかりに 「言っただろ、出てけ!――コースはストップだ」 滅多に怒ることのない 貴公子の逆鱗に触れることに――。 「怒らないで……」 僕はこの人に愛されることはあっても 叱られることには慣れていないので 恐ろしくてわなわなと震えていた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

124人が本棚に入れています
本棚に追加