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話しの大筋は間違ってはいない。
だけど彼に申し訳ないと頭を下げられる度
「やめて……お願い……謝ったりしないでよ……」
えもいわれぬ罪悪感に苛まれ
僕の心は痛んだ。
「ダメだ。僕が一番に守るべきは君なのに……君にこんな仕打ちをするなんて」
カメラの向こうの王様は
さぞかし笑っているはずだ。
「僕が間違ってた。もう君に我慢させたりしないから」
「九条さん……」
本来ならこのまま何も言わず
黙っていたってよかった。
僕は被害者。
真実の愛を守るために犠牲になった
純真な恋人。
だけどそれじゃ
お話にならないって分かってる――。
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