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「それで、うまくいきすぎたって、どういうこと?」
「安奈と同じよ。2人目に声をかけたオジンが線路に飛び降りて逃げたから、警察の事情聴取というやつを体験したわけ」
「素直に、綺麗だよって、言えばいいのにね」
「なんで、線路を逃げるんだろうなぁー」
「電車が止まって迷惑だよね」
「馬鹿だよぉ」
「電車が来たら、死んじゃうじゃん」
「地下鉄にぶつかったの?」
「いつもと同じよ。みつからなかったみたい。……きっと、今頃とぼけて仕事をしているわよ」
「ふーん」
「でもさ。麻友に言われたように、本物の毛を使っているから安心だよね」
「えっへん。私に感謝しなさい」
「麻友のお父さん、刑事だからね。本物を使えば、DNA鑑定されても安心だし」
「私はもう4回成功したわよ」
安奈はスカートをまくりあげて下着の中に手を入れると毛を抜いた。それにハンドクリームをつけてハンカチの間に挟む。
「こうやれば相手の指にもねばりつくしね。……毛を取り過ぎて、もうすぐ無くなっちゃうわよ」
安奈が下腹部をポンとたたくと、友達はケラケラ笑った。
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