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「ところで、赤い顔したモダンガールの幽霊さん。そっちの世界には幽霊がウヨウヨしてるの？」
「あのさあ、幽子だよ。幽霊だって名前はちゃんとあるから名前を呼ばないと失礼でしょ？ で、そういう貴女は？」
「私？ 私は麗子。麗しいの麗子。幽霊の霊じゃないから間違えないでね」
麗子は首を少し傾げながら麗しく微笑んで見せた。
「で、その麗しい麗子さんには霊界の状況は解らないとでも？」
「そりゃそうよ。そんなにしょっちゅう悪霊が見えるわけでもないからね。だから、幽霊がウヨウヨと大量に彷徨ってる霊界なんて存在しないと思ってるよ。持論だけどね」
「あのさ、何でもかんでも悪霊悪霊って言わないでね。実際こうやって違うのも居るんだからさ」
「ん？」
「ん？じゃないよ」
少なからずともウケると確信して言ったのだが、心外にもそれが全くウケずに心が少し折れそうになった。
「あのさあ、麗子」
「何よ、馴れ馴れしいわね」
「酷い言い方。これじゃあ、血の気も引いてしまうよ」
「ふっ。血の気ねえ・・・・」
お、ウケたか。それとも、また馬鹿にされたか？ まあ、どっちでも構わないけどさ。
「あのね、死んだ後、最初に出会ったおばあちゃんに聞いたんだけど、幽霊って誰でもなれるものじゃないんだって。勿論、どういうことって質問してみたよ。そしたらなんと言ったと思う？」
「さあ？」
ああ、そう。答えるのが面倒臭いってことかな。じゃあ、勝手に正解を言うね。
「おばあちゃんが言うには、生前に霊能者だった人しか幽霊になれないんだって」
「へえー。これは驚いた」
「よーし、続けていくわよお。で、霊能者って言っても、正真正銘の本気の本物の霊能者しか幽霊になることが出来ないらしいの」
「ふーん。で？」
「おや？ 少しはやる気になったのかな？」
「いいから続けなさいよ。それで、本物の霊能者の幽霊って、実際どのくらい居るって言ってた？」
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