重なる過去

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子供の頃からの夢だったホテルに就職した透瑠と、一般企業に就職した私は、すれ違いが多くなった。 それでも何とか時間を縫ってメールや電話で連絡を取り合っていたものの、会えないフラストレーションはお互いの余裕を少しずつ削りとっていった。 特に透瑠は若い男性社員ということもあって、夜勤も多く不規則なシフトが続いていた。 そしてとうとうある日、不満が爆発したのだ。 『俺と仕事、どっちが大事なの?』 それは女のセリフだろう、とは言わなかったけれど、お互いに冷静になるため冷却期間をおくことにした。 その僅かの間に、透瑠の心は私から離れ職場の同僚に向かっていったのだ。
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