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潔癖な愛理は透瑠を許さなかった。
徹底的に排斥し、一切の関係を絶ったはずの透瑠がまさか未来の夫の部下になるなど、この時は想像していなかった。
直属の部下である彼を披露宴に招待しない訳にはいかない。
私と透瑠の事情など、愛理の夫には関係ないのだから。
愛理は最大限に配慮してくれたと思う。
お互いのテーブルを離し、背中合わせの座席になるように。
受付を買って出た彼の申し出を辞退し、それならばと提案されたウェルカムボード。
まさか当日、彼が会場に持って来るのを忘れてそれを、彼の身重の奥さんが届けにくるなんて、誰が想像しただろう。
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