重なる過去

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「真紀ちゃん、どうしたの?」 「あ、浜地さん。いつも透瑠がお世話になってます」 披露宴に参加するドレスアップした人ばかりの中で、ひとり普段着の彼女は浮いていた。 大きなお腹で嵩張るウェルカムボードを運ぶ彼女は嫌でも目についた。そこへ彼の同僚らしき人が声をかけた。 「えへへ、透瑠が忘れ物しちゃって。届けに来たんです」 「全くあいつはどうしようもないな。おーい、大澤どこ行った。奥さん来てるぞー」 私は全く覚悟が出来ていなかった。 透瑠に奥さんがいることも 話には聞いていたのに。 その二人を目の当たりにするとは 夢にも思っていなかったから。
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