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「真紀!……ありがとう、助かったー」
私には目をくれることもなく、身重の彼女を気遣う透瑠と、彼を拗ねた仕草で見上げる彼女。
「もう、透瑠ったら。こんなに大切な物を忘れるなんて」
「ごめんごめん。ついでに有坂さんに挨拶していくか?」
「やったぁ!課長のタキシード姿見たい!似合うだろうなぁ」
本当なら、彼の隣にいるのは私のはずだった……?
もしあの時、ケンカなんかしなかったら……?
その後すぐに仲直りしていれば……?
わかっている。
仮定をいくら重ねても
現在を変えることは出来ないことは。
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