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「…お邪魔してます」
5歳年上の透瑠のお兄さん。
たしか地方の国立大学に通ってて
就職も決まった今は
たびたび実家に帰って来る、らしい。
「コンビニ行くんだったら、乗ってく?」
片手を上げて車のキーをチラリと見せる。
「いいんですか?」
「いいよ、ついでだし。
不便でしょうがないでしょ、この辺」
こういうとこ、モテると思う。
透瑠が言っていたっけ。
『兄貴は女にだらしない。
しょっちゅう女から電話かかって来るし』って。
だらしない、とは思わないけど
すごく慣れている感じはした。
警戒心を抱かせない
不思議な魅力を持ったひと。
それが彼の第一印象だった。
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