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「彼氏だって言えば」
「違います!」
「うわ、完全否定。傷付くわー」
胸に手を当てて天を仰ぐ仕草が大げさで、店内にいる人がチラチラ見てるのがわかる。
「燿大さん」
小さい声で名前を呼ぶと、嬉しそうに顔を近付けて来た。
「もう、こういうのは止めてください」
「だって、茉麻ちゃん電話出てくれないし、他に連絡する方法知らないんだから、会社で待つしかないでしょ?」
電話に出なかったのは
これ以上心を揺さぶられたくなかったから。
ここで留まらないと
この先のない関係が辛くなるのは目に見えている。
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