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「いつこっちに帰って来たんだよ。連絡もしないで」
苛ついた声の透瑠に対して、燿大さんは冷静に言った。
「お前こそ結婚したんだってな。おめでとう」
……なんだろう、この温度差。
兄弟なのに、まるで他人の会話みたいだ。
幸い、透瑠は私に気付いていない。
このまま、会話が終わって立ち去って欲しいというささやかな願いは叶えられなかった。
「……茉麻?」
驚いたようにその目が見開かれると、責めるような口調で私を問い詰めた。
「なんで、茉麻が、兄貴といるの?」
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