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「可愛いなぁ」
これでもう、何度目だろう。
学生時代にバーテンダーのバイトをしていたこともあるというだけあって
聞きなれない名前のお酒ばかりをさっきからずっと飲んで上機嫌のこのひとは。
男のひとの割には大きめな瞳をうるうるさせて嬉しそうに笑う。
全く知らないわけではない。
だけど親しいわけでもない。
微妙なカンケイ。
それらを全く気にする素振りもなく、その手をのばして私に触れる。
一瞬だけ、細められる瞳…獲物をねらう猛禽類のように光るそれは
ひどくセクシーで
年上の余裕を見せつけられる。
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