砂を噛む

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「もう一度聞くわ。父親は誰なの」 「それはお答え出来ません」 涼しい顔で彼女は ハーブティーを飲んでいる。 オーダーの時に カフェインレスを選んでいた。 お腹の子を気遣うところは "母親"らしい。 「とにかく」 カチャリとカップをソーサーに置いて 彼女は真っ直ぐに愛理を見た。 「この子は私の子供で、透瑠は私の夫です。 私がお答え出来るのはそれだけです」
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