君の瞳に映る僕の瞳の中にもきっと君が

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彼の第一印象は怖い人。 初めて彼の存在に気が付いたのは二ヶ月前。 多分もっと前から、同じ地下鉄の車両に乗っていたのかもしれないけれど、とにかく短大に入って一ヶ月が過ぎた頃だったから、二ヶ月前。 背が大きくて、細身、短髪、すっと伸びた鼻筋、切れ長の一重。 黒い縁が上だけにあるナイロールの眼鏡が更にきつい目付きを強調していた。 いつもドアの近くのつり革に腕を余らせて掴まっていた。 それだけで圧迫感が半端無かった。
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