4月13日(水)午後7時28分

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『人は常に仮面を被り生きている。  仕事用の仮面に、友人用の仮面。  さらには家族にさえ仮面を被る。  自分で素顔だと思っている物も、  自分の素顔だと思いたい仮面だ。  仮面舞踏会さながらのこの世で、  天使の仮面をかぶっている悪魔、  悪魔の仮面をかぶっている天使。  仮面の下の素顔は・・・・・・?』 そこまで読んで本を置いた。 「下らんな・・・、実に下らん。」 暇潰しにランダムに選んだ本を借りたが、 全く面白く無い。 まぁ、無料なのだから金銭的な損は無い。 「ね~、(きょう)ちゃん。」 「ん~、どうした?」 「あのね~、友達がね~、元彼からね~、  お金取り戻したいんだけど、出来るかな~?」 「借用書は取ってあるのか?」 「ううん、貰って無いんだって~。」 借用書が無いなら無理だ。 相手が借りていると認めているのならば、 取り返す事も出来るが、 貰った物だと言われればそれまで。 しかし摩子(まこ)の友達か・・・。 恐らく高校の同級生とかであろう。 高校生ならばあの手が使えるな・・・。 俺はソファーから起き上がり、両手を広げて言った。 「この大首領である俺様にとって、  借金を取り戻す事など些末な事だ・・・。」 「ん~、良く判んない~!  出来るの?出来ないの?どっち~?」 少しムッとした様子で摩子は言った。 「勿体振(もったいぶ)るな鏡司(きょうじ)、  一言、出来るって言や~良いだろ~よ!」 龍成(りゅうせい)が台所からコーヒーを手に出てきて、 俺の前に置きながら言った。 「まぁ、それが(きょう)ちゃんクオリティーだから、  仕方無い事だと思われ~。」 パソコンのキーボードを叩きながら、 凛斗(りんと)が言った。 「じゃあ、出来るんだね~!」 「ああ、任せておけ!」 「やったぁ~!」 摩子(まこ)がスマホを手に取り早速電話を掛けている。
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