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「鏡司、安請け合いして大丈夫かよ~?」
「まぁ未成年者の契約行為だからな、
なんとかなる。」
「あ、モシモシ~、マリさ~ん。」
マリ・・・さん?
『さん』だと~!
『さん』って敬称として使われる『さん』の事か!
「ウンウン、取り返せるって~!」
「ちょ、ちょっと待て!」
慌てて摩子の肩をつかんだ。
「あ、マリさんちょっと待ってて。」
一旦通話を保留にし、
「・・・何?鏡ちゃん?」
摩子はこちらを振り向いた。
「友達って同級生とかじゃ無いのか?」
「違うよ~、バイト先の友達だよ~。」
「ちなみにその子いくつだ?」
「えっとね~、鏡ちゃん達のいっこ上だったよ~。」
未成年者じゃ無い!
俺達の1つ年上ならば、今年21だ!
俺の考えていた作戦が使え無い!
それに、それは友達とは言わない!
バイト先の同僚とか先輩と普通は呼ぶ!
「オーディンよ・・・それでは無理だ。」
オーディンとは摩子の幹部名である。
「え~!もう出来るって言っちゃったよ~!
ダメだよ!何とかして!」
「何とかしてって言われてもだな・・・。」
「とにかくダメだからね!
ちゃんと取り返してよ~!」
そこまで言ってから摩子は通話を再開した。
「マリさんゴメンね~、それでね~・・・。」
内心『くそっ!このガキぃ~!』と考えて、
握り拳を作ったが・・・、思い止まった。
簡単に考えてしまった俺にも責任が有る。
「オーディン、オーディンよ!」
「も~何?鏡ちゃん?」
「とりあえず情報が欲しい。
これから色々と質問していくから、
聞き出してくれ。」
「了解で~す!ビシッ!」
と言って摩子は敬礼した。
「んで、何とか成りそうなのか?」
龍成が俺の隣に腰掛け聴いてきた。
「・・・判らん。とにかく考えるしかないな。」
「まぁ、頑張ってくれ。」
と言って龍成はコーヒーを口に運ぶ。
他人事だと思って軽く言いやがって・・・。
さて・・・、ど~しよ~!
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