【第二部】  第九章  エール国 宮殿

41/44
前へ
/441ページ
次へ
「姫があのルフェルのところへ向かったそうな。我が愚息も一緒だ」 「東方の剣士か」 「東方ではない。血はフランク国だ」とフォレストは訂正し、「奴と出合った時から胡散臭いとは感じておったが、どうも怪しすぎる」 「例の科学者とアレを探っていたというのは、本当なのか?」 「ヴェブ族に育てられたというから“失われし眼“を探し求めるのはわかる。しかし、奴らは知らなくてもいいものまで、掘り返してしまったのだ」 「科学者は知らないと言い張っているが、あれだけの証拠を掴めば、馬鹿でも見当がつくというもの。気の毒に、知らずに地雷原に足を踏み込んだわけだな」 「いずれにせよ、周囲が騒がしくなってきたようだ。戦争を早期に終結させ、ルミニア国の老人たちには退場願うよう作戦を検討するか」                    ※
/441ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加