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「フラウンホーファーも捕らえられた」とルフェルは言った。
「知ってるよ。奥さんを殺したって」アユームが悔しそうに言った。「でも、本当は軍が殺したんだ」
ルフェルは力強く頷いた。
よく分かったな。
では、これはわかるか?
突然、ルフェルは着物の胸元をはだけて見せた。
三人は悲鳴に近い声をあげそうになり、辛うじて息を呑みこんだ。
彼の左胸には醜い傷痕があった。丸い火傷のような痕と粗雑な手術の縫い痕。
うっ、とセンプローニアは口元に手をあて、視線を背けた。
「何の真似だ?」
ロスコが訊いた。
「幼い頃、俺はエール国の兵士に心臓を撃たれ、死んだ」
「?」
「俺は外見上人間に見える。しかし、ある意味、人間ではない」悲壮な想いでルフェルは彼らを見つめた。「わかるか?」
もう、間に合わない。奴が戻ってくる。
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