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家にいたって暑くて気怠いだけだし、どこかに一緒に出かける親しい友人なんているはずもない。
街中に出たって、どうせ好奇の目で見られるだけだ。
もうそんなことには慣れっこなはずなのに、どうしてこんなにも気が滅入るのだろう。
それはきっと、俺自身が醜いと言われることを恐れているからではない。
自分が醜いことなど百も承知だ。
そうではない。そうではないのだ。
〝醜いモノ〟を見て気分のいいやつなんているものか。
気持ちのいい朝に猫の死骸を見たらどうだろう。
疲れて帰る電車の車内で生温かい吐瀉物を見たら!
醜いモノは、日陰でひっそりと隠れていなくてはいけないのだ。
これは俺の唯一の他者への思い遣りだ。
そんなことを考えながら、洋平は窓を眺める。
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