4の月 火の日 第1限 ナムザ史

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有史より、この大陸には大小幾つかの部族があった。 その中でも一際異彩を放っていたのが、ナムザ族である。 その部族は他部族と比べるとみな短命だが「魔術」と呼ばれる強力な技を用い戦では一度も敗れることなく、ついには他部族従え、国を作った。 それが、ナムザ帝国のはじまりである。 帝国の力関係はナムザ族を頂点に大陸内全ての部族が配下として仕え、滅亡まで1000年の間にペグの乱、ヤクシの乱、ポンマの乱、デジクの乱、カル平原の乱、と5度の反乱が起きたが、ことごとくナムザ族の不思議な技により鎮圧された。 反乱と反乱の時期の間が短いことから、その当時のナムザ族の他部族に対する扱いの酷さがうかがえる。しかしながらそれ以降一切の反乱の記録はない。それほどまでにナムザ族は強さを持っており、他部族は畏怖していたことが推測できる。 またナムザ族は海に囲まれた大陸を外の敵が侵入できぬよう、濃霧を発生させ一切の侵入を許さなかった。それは現在でも続いている。 そして現在より約300年前、ナムザ帝国最期の年。帝国はその年、10年越しで「大型飛空挺」なるものの建造に成功する。この飛空挺とは空を駆け馬よりも長距離を移動することが可能な大人数を収容できる乗り物と推測されている(諸説あり)。 しかしながらその飛空挺の使用途中に事故が起き墜落その衝撃で、帝国の民は皆消え去り、建造物は崩壊し、建造物と墜落した飛空挺の残骸のみがそこに今なお残っている。
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