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「で、嬢ちゃんは、そのアイリスからの紹介でここにきた、と」
「はい、その通りです」
ギルボアは低い声を出しながら思案した後、少女を彼のテーブルを挟んで対面にある椅子に座るように促した。
「そうか、アイリスがよこして、嬢ちゃんは何者か言えないと。ほう。事情はだいたい理解した。あいつの名前を出されちゃ仕方がない。…どれ、話くらいは聞こうじゃないか」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
少女は座ったまま深く頭を下げた。
「いいか?話だけだ。まだ俺がなにかをするわけじゃない」
「心得ております。しかしながらお聞きしてくれるだけでもありがたいのです」
「で話の内容は?あれか?重い話か?そうなんだよな?」
ギルボアはまくしたてるように尋ねる。
「え、あ、そう、ですね。真面目な話ですね」
「そうか、なら酒でも飲まにゃやってられないな。…マスターもう一本!」
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