心を動かす唯一の存在

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莉菜を家に送った後、コンビニに寄り道してから自分の家へ帰宅した。 マンションの駐車場に車を止め、エントランスへ向かう中。 頭にふとよぎったのは未来の事だった。 数日前、仕事から帰宅すると未来が俺の住んでるマンションの前で待っていた事があった。 「未来……」 「類!電話に出てくれないしメールも返って来なかったから……待ってたの」 「ごめん。話す事ならもう何も……」 「私、やっぱり納得出来ない」 「……」 「……別れたなんて、思ってないから」 とりあえず、マンションの前で話すわけにはいかないから近くの公園まで移動してもう一度ちゃんと話をする事にした。 だけど彼女は、公園に着いた途端泣き出してしまい、結局話し合いどころじゃなくなってしまった。 だからもしかしたら、今日も来てるんじゃないかと思っていた。 あの日から毎日、帰宅する度に未来が待っていたら……なんて警戒してしまう自分。 自分の身勝手な恋で、未来を傷つけてしまった事は一応わかっているつもりだけれど、正直、莉菜の事しか考えたくない。
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