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「もしもーし」
「豪……ごめん、未来何て言ってた?」
「お前さーほんと俺、あの子無理なんだけど。協力してって言われたよ。どんな事をしてでも、お前とヨリ戻したいんだって」
「……迷惑かけてごめん」
「マジでね。ずっと泣いてるし、大変だったんだぞこっちは。お前、ヨリ戻しちゃえば?」
「それは、無理だけど」
豪は電話の奥で眠そうにあくびをしながら、言葉を続けた。
「何かさぁ、見てて痛々しかったよ。少しやつれた気がしたし。もう好きじゃないのはわかるけど、どうにかなんないの?」
「……それより、莉菜は?」
「へ?」
「未来と莉菜、何か話してなかった?」
「姉ちゃんと?あぁ、そういえば話してたな」
「だから何を?」
「何って……別に、大した事は話してなかったけど。あ、そういえば未来ちゃんさ、姉ちゃんに嫉妬してたよ」
「嫉妬?」
「そ。今日、類と会ってたんですか?とかいきなり姉ちゃんに言い出してさ。あの子、ちょっと怖くない?」
何で未来は、わかったんだろう。
俺と莉菜が今日会っていた事。
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