心を動かす唯一の存在

4/24
前へ
/24ページ
次へ
「もしもーし」 「豪……ごめん、未来何て言ってた?」 「お前さーほんと俺、あの子無理なんだけど。協力してって言われたよ。どんな事をしてでも、お前とヨリ戻したいんだって」 「……迷惑かけてごめん」 「マジでね。ずっと泣いてるし、大変だったんだぞこっちは。お前、ヨリ戻しちゃえば?」 「それは、無理だけど」 豪は電話の奥で眠そうにあくびをしながら、言葉を続けた。 「何かさぁ、見てて痛々しかったよ。少しやつれた気がしたし。もう好きじゃないのはわかるけど、どうにかなんないの?」 「……それより、莉菜は?」 「へ?」 「未来と莉菜、何か話してなかった?」 「姉ちゃんと?あぁ、そういえば話してたな」 「だから何を?」 「何って……別に、大した事は話してなかったけど。あ、そういえば未来ちゃんさ、姉ちゃんに嫉妬してたよ」 「嫉妬?」 「そ。今日、類と会ってたんですか?とかいきなり姉ちゃんに言い出してさ。あの子、ちょっと怖くない?」 何で未来は、わかったんだろう。 俺と莉菜が今日会っていた事。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

221人が本棚に入れています
本棚に追加