221人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日。
会社に出社すると、デート本を貸してくれた宮本さんが俺のデスクに近付いて来た。
「おはよ、椿。昨日のデート、どうだった?」
「最高の一日でしたよ。雑誌、かなり参考になりました」
「だろ?で、結局どこ行ったの?」
「水族館とか、遊園地とか」
「おっ遊園地行ったんだ。夜の観覧車乗った?結構良かっただろ」
「……正直、結構良いどころじゃなかったですけどね」
観覧車の中で交わした、彼女との三度目のキス。
完全に邪魔が入らない、二人きりの空間。
……幸せ過ぎて、今朝も何度も思い出していたあの場面。
「え、お前まさか……ベタな事、やっちゃったの?」
「……」
「うわ、凄いな……いや、若いっていいな。俺には絶対無理だわ」
「多分俺、宮本さんの年齢だとしてもベタな事しますよ」
相手が莉菜なら、我慢なんて何の意味もない。
最初のコメントを投稿しよう!