抱いてきた敵対心

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「今日……来てくれて、嬉しかったよ」 莉菜がそんな事を言ってくれるなんて思ってもいなかったから、思わず頬に触れていた手の動きを止めた。 「未来ちゃんの事が解決したら……次は私の話、聞いてくれる?」 莉菜が俺にしたい話。 こういうとき、自分の都合のいいように解釈してしまう自分はある意味ポジティブなのかもしれない。 「それ、今聞きたいんだけど」 「え?」 「今言って。今、聞きたい」 多分彼女が言おうとしている言葉は、俺がずっと聞きたくて仕方なかった言葉のはずだから。 「……今は、ダメ」 「……」 「ちゃんとお互い解決させてからじゃないと、言えない」 「お互いって?」 その瞬間、莉菜の表情がわかりやすいくらいに動揺した。 俺にはすぐにでも解決しなきゃいけない事があるけれど、莉菜は何もないはずなのに。 「お互い解決させてからって、何の事?」 ……まさか、この間別れた元彼が莉菜に接触しているのか?
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