抱いてきた敵対心

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「俺、このまま泊まっていこうかな」 「え……」 「ウソ。冗談だよ。そろそろ帰るから」 本当は、帰りたくなんかないけど。 このままここに泊まったら、間違いなく熱のある彼女に手を出してしまう自信がある。 まぁとりあえず消毒は出来たし。 まだ理性のある内に帰った方がいい。 「明日の店の予約は?」 「明日は……午後に3件予約入ってるけど……」 「熱下がらなかったら、明日は休めよ。バイトの子に頼んで」 「……うん、そうする」 「じゃあ豪に気付かれる前に帰るかな」 名残惜しい気持ちを引きずりながら、ゆっくりと立ち上がると、シャツの裾をキュッと掴まれた。 「私が眠るまで……傍にいてくれないかな」 「……」 「傍に……いて下さい……」 ……ヤバイ。 ……可愛すぎる。
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