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……何かあったのかもしれない。
慌てて莉菜に電話をかけたけれど、聞こえてくるのはコール音だけ。
何度かかけてみたけど、電話に出る気配はない。
『家、着いたの?』
一応、メールも送信してみたけど。
もちろん、メールの返信はない。
心臓の鼓動が、少しだけ速くなっている自分に気付く。
落ち着け。
メールが返ってこないのは、単に莉菜が忘れているだけかもしれない。
でも、もし何かあったら。
もし、未来が莉菜に接触していたら。
俺はとりあえず、帰宅しているのか確かめるために豪に電話をかけた。
「もしもしー?何だよ類……俺もう眠いんだけど」
「莉菜、いる?」
「は?姉ちゃん?」
「莉菜帰ってきてるか聞いてるんだけど」
頼む、帰ってきてるって言ってくれ。
「姉ちゃんなら、風呂入ってるよ」
「……風呂?」
「類、姉ちゃんに用でもあんの?」
とりあえず帰宅していて、良かった。
でも、だったらどうしてメールは届いてないんだろう。
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