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「いつから風呂入ってんの?」
「はぁ?お前何言って……待ってそういえば長いかも。……ごめん、ちょっと俺見てくるわ」
そして電話は勢いよく切れてしまった。
「……」
何がどうなっているのか、もの凄く気になりながら連絡が来るのを待っていると。
しばらく経ってから、莉菜からやっとメールが届いた。
『ごめんね。お風呂入ってて、電話気付かなくて。無事帰宅しました』
無事帰宅した、の文字を見てほっとしたけれど、ちゃんと話が聞きたくてすぐに電話をかけた。
「もしもし」
「心配したんだけど」
「ごめんね、帰ってきてすぐにお風呂入っちゃったからメール忘れてて……クシュン!」
「風邪ひいたの?」
「何でもないの、大丈夫だから」
まさか、風呂で寝て湯冷めして、風邪引いたんじゃないだろうな。
莉菜の『何でもない』は、今まで大体いつも何でもよくない事ばかりだった。
何かあったに違いない。
「……豪は?寝た?」
「あ……うん、多分さっきリビング出て行ったから。私ももう自分の部屋だし」
「わかった。じゃあ、風邪こじらせないようにね」
「うん、ありがと。おやすみなさい」
俺は電話を切ってすぐ、車のキーを手に取り家を出た。
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