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普段通りではない彼女の行動が、俺の心を掻き乱す。
何があったのか気になるなら、会いに行って直接聞いた方が早い。
電話では、『何でもない』の一言で誤魔化されてしまうから。
ちゃんと、顔を見て話を聞きたい。
車で莉菜の住んでいるマンションへ向かう途中、コンビニへ立ち寄って手早く買い物を済ませた。
買ったものは、熱を下げる冷えピタと水分補給のためのスポーツドリンクと、莉菜が昔から好きでよく食べている桃のゼリー。
ゼリーを手に取り、思わずふっと笑みが零れる。
酎ハイといい、ゼリーといい……ほんと桃好きだよな。
まぁ、確かに美味しい事は認めるけど、そんなにハマるような味でもないような……。
なんて思っていたら、隣からもの凄い視線を感じた。
見ると、知らない女性二人が俺の顔をチラチラ覗き見ながら、何かを話していた。
「ねぇあの人、ヤバくない?ゼリー持ちながら笑ってたけど」
「私も見た見た。せっかく顔はカッコいいのに、痛いよね」
「……」
うるせーな。
大きなお世話だよ。
と、心の中でその女性達にツッコミながら、コンビニを後にして、急いで彼女のマンションへ向かった。
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