抱いてきた敵対心

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「今日、何かあった?」 「え……」 「メールもこなかったし。かと思えば、風呂で寝てるし。それに莉菜の顔見れば、何かあった事くらいすぐわかる」 やっぱり、電話で声を聞くだけじゃ、わからない事もある。 彼女は、言葉で嘘をつこうとしても表情が嘘をつけない。 言葉は素直じゃないのに、正直な人。 俺に言い出しにくい何かが、あるはずだ。 「……聞いてくれるの?」 「当然。むしろ言わなかったら怒るよ」 莉菜は一瞬迷う表情を見せたけれど、意外にもすぐに、何があったのかを話してくれた。 「……未来ちゃんが、今日私のお店に来たの」 ……ついに、莉菜の店にまで。 「未来が?アイツ何考えて……」 「ちゃんとお客様として来てくれたの。でも多分、あの子私の事、敵だと思ってる」 莉菜は今日の事を思い出したのか、少しだけ起こした身体を小さく震わせた。
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