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そしてしばらく待ち続けていると、やっと仕事を終えた未来が会社から出てきた。
前回彼女を待っていたときは同僚らしき女性と3人で出てきたけれど、今回は1人だった。
気付かれないように少し距離を取って、彼女の後ろを歩く。
未来はまず、会社の近くのカフェに入った。
そこで夕食でも食べたのか、カフェから出てきたときは随分時間が経っていた。
そして電車に乗って、着いた場所は莉菜のネイルサロン。
サロンの入口付近に立って、中の様子を窺っているようだった。
サロンに乗り込む気なのか?
そう思って近付こうとすると、未来は突然進路を変えた。
莉菜のサロンの扉を開ける事はなく、また駅の方へ向かって歩き始めた。
……どういうつもりだ?
中に客がいるから、入るのをやめたのか。
俺はいろいろな思考を張り巡らせながら、そのまま未来の後を追った。
そして、歩き続けて彼女が辿り着いた場所は、やっぱり莉菜が住んでいるマンションの前だった。
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