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「熱っ……」
「類!大変……冷やさなくちゃ!」
嘘だろ。
まさかコーヒーをかけられると思っていなかった俺は、一瞬何が起きたのかわからなかった。
でもすぐに莉菜が俺の手を掴んで浴室に連れて行ってくれて、やっと何が起きたのか理解する事が出来た。
「別に冷やさなくても大丈夫だって」
「いいから来なさい!すぐに冷やして。シャツは洗濯するから洗濯機に入れて」
勢いよく脱衣所の扉が閉められ、俺は莉菜に言われた通りにコーヒーの染みが広がったワイシャツをそのまま洗濯機に入れた。
とりあえずシャワーの水でコーヒーがかかった皮膚の部分を冷やす。
正直、ここまでされるとは思わなかった。
でも嫌われるなら、徹底的に嫌われたかったからこれでいい。
ここまでして、未来が俺に縋ってくる事は絶対にない。
やっと、終わったんだ。
あとはもう、莉菜の気持ちを聞くだけだ。
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