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正直、豪と酒を飲む時間は結構好きだったりする。
もちろん変な意味とかはなく、ただ純粋に。
一番気を遣わなくていい友人と下らない話をする時間は、意外とリラックス出来るから。
「未来ちゃんと？大丈夫なの？向こうがわかってくれんならいいけどさ、あんまり追い込み過ぎるなよ」
「別に追い込むつもりはないけど」
「怒りの矛先が、お前の好きな女の方にいかなきゃいいけどな」
……もう既に、矛先は莉菜へ向いているかもしれない。
「そういえばお前、その女の方とは最近どうなの？」
「この間、デートしたよ」
「え、マジ？いつの間に！で、どうだった？」
「横浜の遊園地とか行ったんだけど、すげー楽しかった」
いまだにあの日の事は鮮明に思い出せてしまう。
無意識に、幸せを感じたあの日。
「うーわ。いいなぁー初デートとか。何か俺、愛との初デートなんてもう昔のこと過ぎて忘れたわ」
「それ、思ってても愛ちゃんの前で言わない方がいいよ」
豪と愛ちゃんがよくケンカするのは、豪のデリカシーの無さが一番の原因だと思う。
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