心を読み解くpassword

5/38
前へ
/38ページ
次へ
「未来ちゃんとどこで会うの?」 「一応、仕事終わったら未来の会社まで行くつもり」 「会社?」 「家に行ったら、会ってもらえない可能性あるから」 会社まで行くのは若干やり過ぎかもしれないと思ったけど、とにかく会って話さない事には何も変わらない。 「未来ちゃん、お前のどこがそんなにいいんだろうな」 「ほんと、俺なんかのどこがいいんだろうね。男なんていくらでもいるのに」 「お前その余裕発言やめろよ。ナルシストみたいだぞ」 「……」 「あ、そういえば、さっき仕事で外出たとき、偶然賢君に会ったんだよ」 ……タイムリー過ぎるその名前に、すぐに反応出来なかった。 「時間なかったからちょっとしか喋れなかったんだけどさ」 「……ふーん」 あの人は今、どんな思いでいるんだろう。 どんな事をしてでも、莉菜の心を手に入れるつもりなんだろうか。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

212人が本棚に入れています
本棚に追加