221人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
どれだけ好きだとしても、その想いが永遠に続く事は不可能だ。
絶対に。
絶対に、なんて言い切れてしまうのは、今までの経験がそれを物語っているから。
実際に、誰かを変わらず愛し続けた経験がない。
1年経って、更に2年が経つと、お互い知りたくなかった部分が必ず見えてくる。
だから今までの恋は、付き合い始めたときが一番幸せを感じていたかもしれない。
瑛佑だって、そうだった。
4年間交際していたけれど、明らかに『好き』の重みは最初と最後で変化していた。
瑛佑に別れようと言われたあの日。
確かにショックで涙まで流してしまったけれど、心のどこかでは覚悟していたのかもしれない。
……やっぱり、恋は終わるんだと。
だからずっと変わらない、なんてきっとない。
類も、きっとそう。
2人の終わりなんて想像したくもないのに、今私の頭の中で思い描いている場面は、類が私の元から去っていくシーン。
私は弱くて狡いから。
終わりを予め想像するんだ。
自分が傷つかないために。
「椿、ちゃんと聞いてるの?いい?この恋をダメにしちゃったら、もう一生独り身決定だからね!」
「……うん。飽きられないように、頑張る」
私は、そんなネガティブ思考を胸の内に秘めながら、この日美月の有り難いアドバイスに耳を傾け続けた。
最初のコメントを投稿しよう!