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夢を見た。
幸せという光に包まれて、身体中が蜜のように溶けていく。
好きだ、と何度も囁くその人は。
私の髪を愛しそうに触れながら、髪の一本一本にキスをする。
その仕草は、少しくすぐったくて。
でも何だか妙に色っぽくて。
夢の中の私は、恥ずかしいはずなのにもっと触れて欲しい欲が強くなっていく。
彼の指先が私の身体に触れるだけで、私は甘い刺激を感じていた。
「ん……」
そう。
今みたいに、こんな感じで。
夢のはずなのに、リアルな感触。
思わず声が漏れてしまっている自分に気が付き目を開けると、カーテンの隙間から眩しい光が自分の身体を照らしていた。
……朝日だ。
と認識した瞬間、私の唇は甘い刺激を与えていた彼によって一瞬で奪われた。
「……」
ちゅ、とわざとらしく音を鳴らして、ゆっくりと私から彼は唇を離した。
そして、甘い笑みを浮かべながら私の頬を撫でる。
「おはよ、莉菜」
「……おはよう」
ていうか、さっきの夢のような甘い刺激……やっぱり夢じゃなかったんだ。
「朝からやらしい事しないでよ」
だけど彼は私の抵抗を笑ってさらりと受け流した。
「本当は、気持ち良かったくせに」
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