素直になれない女-2

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そしてそのまま、ふっと更にその後ろの2人へ視線を向けた。 本当に、何気なくただ視線を移しただけ。 諸橋さんと青木さんは、楽しそうに会話をしていた。 仲の良い先輩後輩といった感じに見える。 「……」 そう。 ただ、それだけ。 どうしてだろう。 青木さんは、諸橋さんに好意を寄せている。 だからこの温泉旅行に参加した。 もしかしたらその私の推論は、根本的に間違っているのかもしれない。 だって青木さんの表情は、亜美ちゃんのようにはなっていなかったから。 まさか。 1つの嫌な想像が頭をよぎった瞬間、青木さんと視線がぶつかった。 その視線は、胸の奥に真っ直ぐ突き刺さるぐらい、強かった。  「莉菜、どうしたの?」 「……ううん。早く温泉、入りたいね」 お願い。 違うって、誰か言って。 何バカな妄想してるんだって、笑い飛ばしてよ。 ……恋愛オンチの私の勘が、何故かこのときだけ無性に冴え渡ってしまったんだ。
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