序章

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 男は財布の中を覗く、財布に入っていた金額は2752円と、給料日まで3週間以上あるのに、絶望的な金額だった。 「これは…死活問題だな…」  充電している、スマートフォンを手に取り、Webを開いて、検索ワードには、日払い仕事高額給と打ち込み、色々と見てまわる。  ある求人サイトに目が留まる。(裏仕事紹介所)、如何にも胡散臭いサイトだが、サイトの内容を見ると犯罪に関わる感じの仕事は、紹介されていなく誰もが好んではやらないが、絶対数が足りない仕事が掲載されていた。  その中でも死体洗いの仕事が掲載されており、日当で2万5千円で、拘束時間は1時間程度と、本職が終わった後でも、余裕を持って働ける環境に、男は魅了された。 「とりあえず、ここに応募してみるか」  数ある、会社の中から適当に、問い合わせ番号をクリックして、電話を掛ける。何回かコールがなった後に、男性が電話にでる。 「はい、こちら〇〇産業の、中田がお承りいたします」 「あっ…あのすみません、サイトを見て、求人募集をそちらの会社で、受けているとの事だったのですが、まだ募集の方は、受け付けておりますか?」 「はい、募集はまだ、受け付けております…お名前と年齢を先に、お伺いしても宜しいでしょうか?」 「山田進(やまだすすむ)、26歳です」 「ありがとうございます…ちなみにもう履歴書は、ご用意されている状態ですかね?…人手が足りないので、山田様に問題がなければ、こちらとしては今日のうちに、面接をして直ぐにでも、働いて欲しい状況なのですが」 「すみません、履歴書の方はまだ記入してない状態なので、直ぐにでも記入して、持って行くことは可能なのですが…」 「そうですか…履歴書の記入の方は、簡潔で構いませんので、3時間後にこちらの会社に、出向いてもらうことは可能でしょうか?」 「…そうですね、サイトに記載されている住所でしたら、可能だと思います」 「それでは、3時間後に面接ということで、服装は私服で、構いませんので…一応、当社は〇〇駅の東口から直ぐの、〇〇ビル3階となっております」 「ご丁寧に、ありがとうございます。それでは3時間後に、お伺いいたしますので、よろしくお願い致します」 「はい、お越しをお待ちしております」
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