五章

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「えっ!?………なんで、そこで夢だと思うんですか?…山田さんの事を、私が好意を持っているかもしれないじゃないですか」 「いや…だって俺だよ?…それに、夢じゃお互い下の名前で呼び合ってるし」 (山田さん、自分に自信が無いのかな?…モテてそうなのに…山田さんの名前を知りたいな) 「へぇー?そうなんですか、そしたら現実でもそうしましょうよ、山田さんの下の名前を教えて下さい」 「えっ!?……俺の名前は進だよ」 (間が気になるな…教えたくなかったのかな?…けどこれで、凹んでたら駄目だよね) 「したら進さんですね、私の名前は梨沙です」 「!?…梨沙なの?」 (進さん…反応が微妙だったけど、りさって名前の子と、付き合ってた事があるのかな?) 「梨沙ですけど、何か問題でもありまし」  私が喋り終える前に、何かぶつかる音が私の耳を襲う。 「進さん!?………進さん、どうしたんですか?何かあったんですか?」  私の呼び掛けに、応えてくれない進さんに、どんどん不安になる。 (進さんの身に、何かあったのかも…そんなの嫌だよ)  ベッドから起き上がり、着替えて進さんの所に、行こうと思ったけど、進さんの住所を知らなかった。 「進さん…お願いだから返事して…グスン…進さ~ん!!」  私は泣き叫ぶ様に、進さんを呼んだ。
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