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「あ、椿いた。どこ行ったのかと思ったら莉菜ちゃんの部屋にいたのか」
「ちょっと用事があって」
「ふーん。とりあえず今から風呂行くけど、椿も行く?」
「あ、行きます」
男の大浴場と露天風呂はホテルの地下1階との事で、俺と宮本さんは部屋に用意されていたタオル一式を手に持ちエレベーターで地下へ向かった。
「そういえば……諸橋さんは?」
「アイツなら先行ったよ。長風呂派だから、ゆっくり入りたいんだって。アイツと風呂行くといっつも長くてさ」
なんて顔をしかめながら本当に嫌そうに言う宮本さんだけど、結局何だかんだ言いながら、仲良いんだよな。
まるで俺と豪の関係を見ているような気持ちになる。
「何か、宮本さんと俺ってちょっと似てますよね性格」
「え、そう?俺は椿ほど嫉妬深くないけど」
それを言われると、確かに似ているなんて言えないかもしれない。
宮本さんが彼女に対して嫉妬した話なんて今まで一度も聞いた事がないし、むしろそんな場面は全く想像出来ない。
俺の中での宮本さんは、恋愛に対して淡白なイメージ。
いつでも冷静で、余裕のある大人の男。
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