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「意外と大人げないんだよなーミヤは。わざわざそんな状態のときに、こんなとこまでノコノコ来てさ」
「……どういう意味だよそれ」
それまでずっと淡白に、動揺なんて微塵も見せずにいた宮本さんが、このときだけ一瞬動揺を見せた気がした。
「だから俺にはミヤが考えてる事なんてお見通しなんだって。どうせお前……」
と、そこで。
コンコンと、扉をノックする音が響いた。
入ってきたのは、エステを終えてスッキリした様子の女性陣。
3人とも、模様の違う浴衣を着ていつもとは違う雰囲気を醸し出していた。
当然俺の視線は、1番最後に部屋に入ってきた莉菜の姿に釘付けになる。
スラリとした細身の長身スタイルで浴衣を綺麗に着こなしていた。
普段おろしている肩より少し下の髪はアップにしていて後れ毛が少し濡れている。
そして化粧を取ったその素顔は、何度見ても飽きないと断言出来る程、見惚れてしまう。
……そんな姿、俺以外の誰にも見せないでほしかった。
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