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「……ありがとう」
そう微笑んだ莉菜は、迷わず俺の隣に座った。
彼女が隣にいるだけで、温度が一気に上昇したような気になる。
「類は何飲んでるの?」
「俺はビール。一口、飲む?」
そう言ったところで、ビールが苦手な莉菜はいつも拒否するんだけど。
その拒否する仕草さえ可愛くて、つい勧めたくなってしまう。
「……うん。じゃあ、一口もらおうかな」
「え」
莉菜はビールを持っている俺の手に自分の手を重ねて、そのまま缶の口を自分の唇へ持って行った。
「うわ、にが。やっぱダメだ私……」
思いっきり眉間にシワを寄せて苦い顔をする莉菜を見て、簡単に笑みが零れてしまう。
……可愛い過ぎるんだけど。
「俺にも一口ちょうだい」
「え?」
俺も莉菜が今やったように、莉菜が酎ハイを持っている手に手を重ねて一口喉に流し込んだ。
「何で赤くなってんの?」
自分から先にしてきたくせに、俺が同じ事をすると何故か顔を赤らめる莉菜。
しかも風呂上がりだからか、余計に赤く見えてある意味ヤバイ。
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