君と密室の中で

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青木さんがこの温泉旅行に参加する事を知ったのは、確かこの旅行の少し前。 休日にかかってきた、諸橋さんからの電話で知った。 「実はさぁ、ミヤの彼女、行けなくなっちゃったんだって」 「そうなんですね。じゃあいっその事、この計画ナシにしません?」 宮本さんの彼女が行けないなら、無理して宮本さんも参加する必要はないだろう。 そもそも俺は最初からそんなに乗り気ではなかった。 もし中止になるなら、それはそれで大歓迎だ。 「何言ってんだよ今更ナシにするわけねーだろ。でさぁ、代わりにミズホちゃんが行く事になったから」 「……はい?」 ミズホちゃんって……どうして経理の青木さんが? 「諸橋さん。そっちこそ何言ってるんですか?」 「まぁまぁ怒るなって。昨日さ、温泉の事会社のパソコンで調べてたらミズホちゃんが近くにいてさぁ。つい温泉旅行の話しちゃったんだよね」 つい、で納得出来るかよ。 「そしたらミズホちゃんも興味津々な感じでさ、じゃあ一緒に行く?って言ったら行きたいです!みたいな?」 わざわざ青木さんの声真似までしてそのときの再現を始める諸橋さん。 「あり得ないんですけど」
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