175人が本棚に入れています
本棚に追加
「完全に俺のせいで、莉菜の事危険な目に遭わせた。……彼女が俺に好意を持ってた事、本当は前から知ってたんだ」
「知ってたならどうして……」
「莉菜に嫉妬してほしかった。そんな理由でって呆れると思うけど。……本当に、ごめん」
バカだとしか言いようがない。
見損なったと思われても仕方ない。
俺への気持ちが、冷めてしまうかもしれない。
けど、どうか1%でもいいから、まだ俺の事、好きでいてほしい。
「……ちゃんと、言ってほしかった」
「……ごめん」
彼女の責めるような視線が、俺の胸に突き刺さる。
「ちゃんと言ってくれてたら、私もこの旅行に参加しなかったよ」
「……うん」
「バカ。最低。嘘つき」
何を言われてもいい。
反論なんか出来るわけがない。
「類なんか、嫌い」
「え……」
反論なんか出来ないくせに、彼女の口から出た『嫌い』に動揺を隠せず思いきり反応してしまった。
「だってそんな風に試すような事されるの、凄い嫌だよ」
「……」
最初のコメントを投稿しよう!