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「な!何でその事……!まさか莉菜さんに……」
「莉菜に聞いたんじゃないよ。見てれば誰だってわかるから」
当の宮本さんは自分の事を話題にされているとは気付かず、テレビを見ながらマイペースに酒を飲んでいた。
「見てればわかるって……私、そんなにわかりやすいんですか?」
「そうだね。だから早く戻ってくれる?なるべく、莉菜から離れないで」
「はぁい……わかりましたぁ」
亜美ちゃんは『莉菜から離れないで』と言った俺の言葉の意味を深く聞く事はなく、隣の女子部屋へ渋々戻って行った。
とりあえず、亜美ちゃんがいるなら大丈夫か。
「椿、亜美ちゃんの耳元で何囁いたんだよ。亜美ちゃんめっちゃ動揺してたじゃん。まさか口説いたわけじゃねぇだろうな」
「なわけないでしょう」
敢えて冷たく返すと、諸橋さんはゲラゲラと笑いながら何杯目かの焼酎の水割りを口にした。
……酔っ払いの相手って、マジで大変だ。
「よし!俺達はまだまだ飲むぞ!明日仕事休みだしね~」
俺達は男3人でまた軽く乾杯をしてひたすら続く諸橋さんの話を聞きながら飲み続けた。
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