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「それにしても、椿は本当に過保護だな莉菜ちゃんに対して」
「そうですか?」
「だって青木さんと莉菜ちゃんを2人きりにさせたくないから、亜美ちゃんを強引に部屋に戻したんだろ?」
やっぱり宮本さんは気付いていたか。
だけど強引にでも、2人きりにさせるわけにはいかなかった。
青木さんは、今回の旅行はただの下見だと言っていた。
俺の恋人がどういう女性なのかを探るために。
でもその言葉を完全に信用していいんだろうか。
きっと2人きりにしてしまったら、彼女は莉菜に対して何か仕掛けてくる。
どうしても、そんな気がしてならなかった。
「お前ほんと過保護過ぎ。まさかミズホちゃんが莉菜ちゃんに何か意地悪すると思ってんのか?そんな事するわけないじゃん。そもそも莉菜ちゃん、もう寝てるだろ。あんな眠そうにしてたんだし」
「そうかもしれないですけど……」
と、諸橋さんに反論しようとしたところで、ふと言葉が詰まった。
そういえば莉菜は、何故急にあんな眠気に襲われたんだろう。
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